※記事の公開日 2017/6/17 (更新日 2020/9/5)
これから、不登校の子供が立ち直るために親ができることを3つお伝えします。
不登校の子供を持つ親御さんはこれからお伝えする3つを頭に入れて、ご自身の不登校対応に応用してみてください。(できる範囲で大丈夫です(^-^))
上手に応用できれば、お子さんに目覚ましい変化が起きます。(※)
※ただし、目覚ましい変化が起きるまでには少し時間がかかるのが通常です。すぐに急激な変化が起きると親御さんとしては嬉しいかもしれませんが、不自然に急変するケースはだいたいが「表面的かつ一時的な変化」のケースです。「確実な変化」を起こすために、焦らず、根気強く取り組むことをおすすめします。
1.料理
長年、不登校支援活動をしていると、子供が不登校になる家庭の特徴のようなものが見えてくるものです。
その特徴の1つが、料理の問題点。
その家庭で主に料理をつくる人があまり料理が好きではないか、得意ではないか、いそがしくてどうしても手抜きになってしまうか、何らかの事情でバランスが考慮されていない料理が毎日出されている場合、その家庭の子供が不登校になる可能性を高めてしまっています。(非行に走る可能性も高めてしまっています)
これは、よくよく考えてみれば当然のことなんですよね。
精神機能を担っているのは脳で、その脳はたくさんの栄養を必要とします。たくさんの栄養を必要とするということは、摂取された栄養に大きく影響を受けるということです。
そのため、必然的に料理が子供の精神機能に大きく影響するわけで、毎日の料理でバランスが考慮されていないと子供の心の状態が乱れやすく、その乱れが少しずつでも積み重なればいつしか不安定な状態が恒常化し、それが不登校原因になる可能性も高いでしょう。
この話をすると、「私が料理で手抜きしたせいで我が子が不登校になった……」と落ちこみ、自分自身を責めてしまう親御さんも出てくるかもしれませんが、落ちこむ必要はありません。自分を責める必要もありません。
子供を育てるということは大変なことで、ただでさえやることがいっぱいです。そんななかで完璧な料理を毎日出すなんてほぼ不可能でしょう。料理で手抜きしないことなんて、普通はできないはずです。
仮に完璧な料理を毎日出せたとしても、それを子供が食べてくれない場合、どうにもなりません。子供の“選択”も関わってくることですので、親御さんが責任を感じすぎないことです。
あなたが精いっぱい子育てしてきたことは事実なのですから、そこに自信を持って、自分を責めないでくださいね。
そもそも、「料理の手抜きが見られる家庭では必ず子供が不登校になる」というわけではありませんので、そこを過剰にとらえないことです。
私がここでお伝えしたいのは、
「ある特徴が見られる家庭は子供が不登校になる可能性が高くなっている」という事実を知れば、その逆を行なうことで不登校回復に役立てることも可能ではないか?
ということです。
疑問形のままなら仮説にとどまりますが、その仮説を長年の不登校支援活動において検証してきました。その検証の上で、私が現時点で断言できるのは次のことです。
料理の改善 ≒ 不登校回復
親が毎日出す料理を改善すれば、それが“ほぼ”不登校回復につながります。
なぜイコールではないのか?と思われるかもしれませんが、これには理由があります。
不登校がある程度進んでいる子供の場合、決まった時間に食事をとらなくなっていたり、親が用意してくれた料理を食べずにファーストフードやお菓子などで食事を済ませたりしているので、親が料理を改善してもそれを子供が食べてくれないケースがあるんですよね。
ですから、不登校初期などで「親が出した料理を子供がちゃんと食べてくれる段階」なら料理の改善がそのまま不登校回復につながりますが、不登校が長期化した状態などで「親が出した料理を子供がちゃんと食べてくれない状態」だと料理の改善が不登校回復につながりにくいので、前述はイコールではなくニアリーイコールなのです。
このような観点からも、やはり不登校対応は1日でも早く信頼できる専門家の力を借りて進めたほうがいいでしょう。
不登校初期などで「親が出した料理を子供がちゃんと食べてくれる段階」なら料理の改善がそのまま不登校回復につながるチャンスがあるのですから、ハイレベルな不登校専門家ならそのチャンスを生かすようにコーチングしてくれます。親がそのコーチングを受けた場合の子供の未来と、そのコーチングを受けなかった場合の子供の未来は、まったく違います。
だからこそ、SIAPROJECTでは「専門家の力を借りるなら1日でも早いほうがいい」とおすすめしているのです。(宣伝ではなく一般論です)
ほとんどの親御さんは「最初は自己流で」と考えるのでしょうか、はじめのうちは自力でなんとかしようとします。不登校関連書籍を読んでサポートのしかたを変えてみたり、インターネットで調べた不登校対応を実行したり、自分なりに色々と工夫します。そこでだいたいの親御さんは広く浅く知識を得てしまい、その知識をランダムに実行していきます。
浅い理解でランダムに実行してうまくいくわけがありません。やっていくうちに、自分のやっていることが正しい道に進んでいるのか間違った道に進んでいるのか、よく分からなくなり、混乱気味になります。そうして混乱気味になっている間に、子供の状態は少しずつ悪化していきます。そして悪化が進み、改善が極めて難しくなった頃にようやく専門家の力を借りるので、間に合ったはずのことも間に合いません。(例:受験など)
できるだけ早く専門家の力を借りていればそんなことにはならないのですが、ほとんどの親御さんはそこを甘く考えて「自力でも何とかなるのでは?」と考えてしまうんですね。そのちょっとした傲慢な考え方が子供の未来を崩壊させてしまいますので、本当に気をつけていただきたいところです。
話がそれたので元に戻しましょう。
料理の改善≒不登校回復
これが、現時点で私が断言できることです。
料理の改善は複雑なことではありません。今まで料理で手抜きしていた自覚がある人は今後は手抜きしないように“心がける”だけで随分と変わってくるでしょうし、ほんの少し料理に関して勉強するだけでも違ってくるでしょう。
基本中の基本ですが、
「栄養素が偏らないように、できるだけ多くの食品をバランスよく食べられるようにすること」
が大切です。
その基本を守るだけでも子供の脳(精神機能)に与える影響が変わり、子供の思考と感情が変わっていくでしょう。子供の思考が前向きになり、感情が安定してきたら、学校に行きやすくなります。(≒不登校改善)
不登校改善のポイントは、実はこういったシンプルなところにあります。
2.3S
こんな話を聞いたことがありませんか?
「公共物や壁に派手な落書きがいたずら書きされている街では、凶悪犯罪の数が多い」
本来、いたずら書きと凶悪犯罪は無関係のはずですよね。けれども一説によれば「街でいたずらされた派手な落書きの数」と「その街で起きる凶悪犯罪の数」はまるで比例関係にあるかのように連動するそうです。
いたずら書きが多い街→凶悪犯罪の数も多くなる
いたずら書きが少ない街→凶悪犯罪の数が少なくなる
このように比例関係を見せるらしいのです。
たしかに、治安の悪い都市では公共物や壁へのいたずら書きが目立ちますよね。私たちは「治安が悪いからいたずら書きが多いのだ」と思いがちですが、もしかしたら、いたずら書きが多いからその視覚的影響で人々の心理が狂い、それで治安が悪くなっているのかもしれません。
理解を深めるために、少し想像してみましょう。
もしも、あなたの自宅の窓が割られていて、直さずにそのまま放置していたら……
あなたの毎日の気分はどんなふうになるでしょうか?
割れたままの窓を目にするたびに気分が下がるのでは?
割れたままの窓を目にするたびにかすかなストレスを感じるのでは?
その気分の低下やストレスが毎日毎日積み重なっていったら、どうなるでしょう?
いつかは精神的に狂ってもおかしくない……と思いませんか?
私たち人間は目に映るものから影響を受けています。その影響の受け方は想像以上で、自分が思っている以上に心を変えられているものなのです。
ここまで読んできてピンときた方も多いでしょう。
そう、自宅のなかも同じなんですね。
自宅のなかが散らかっていたり汚れていたりすると、その乱れた環境や汚い環境を毎日見るわけですから、その視覚認識によって気分の低下やストレスが積み重なり、心が莫大なダメージを受けます。
それが、実は不登校悪化に大きく影響しています。(長年不登校支援をしてきた専門家として断言できます)
ですから、その逆をやれば不登校回復の追い風になります。
自宅のなかをキレイに掃除すればいいのです。
自宅が散らかっていたり汚れていたりするなら、今すぐにでも掃除を始めたほうがいいですし、一度キレイにしたら満足するのではなく、キレイな状態をキープするように掃除を習慣化しましょう。
ポイントは、整理整頓と処分ですね。
掃除好きの親御さんでも、整理整頓が苦手だったり、物を思いきって捨てることができないタイプだったりします。その場合、掃除が行き届いていても、なんだか部屋のなかが雑然としていて見た目的に落ち着かなかったり、物が多いことが心理的に圧迫感を与えたりするでしょう。その心理的影響は、子供はもちろん家族全体の精神に影響を与えつづけますから、家族全体で不登校悪化に向かうような状態になってしまいます。
「うちは掃除は大丈夫!完璧!!」と思う親御さんでも、「整理整頓はできているか?」「不要なものをしっかりと捨てているか?」と振り返ってみてくださいね。
※ここまで読み、子供の部屋を無理矢理掃除しようと考えた親御さんは要注意です。そういう親御さんは子供を動かそうとする精神状態から抜け出せず「サポートすればするほど子供の状態が悪化する状態」に陥ってしまっているはずですから、まずは自分自身の精神の基礎を見直しましょう。あなたは子供の人生を尊重していますか?子供を自分の思い通りに動かすのではなく、子供が子供自身の人生を生きることを尊重していますか?まずはそういった質問を自分に投げかけるところから始めていきましょう。
※3S→整理・整頓・清掃
3.インターネット
不登校の子供を持つ親御さんにとって非常に受け入れがたいことかもしれませんが、子供がインターネットを使うことは不登校回復の助けとなる可能性があります。
私は長年の不登校支援活動で子供が不登校脱出するケースを山ほど見てきましたが、そのなかには、子供自身がインターネットで情報を見つけてきて自分の進む道を決めたケースが多くありました。
もし、その子たちがインターネットを自由に使えない環境だったら、自分の進む道を決められなかったかもしれません。なんとかインターネット以外で自分の進む道を決められたとしても、その決める時期が遅れたかもしれません。そうして考えてみると不登校の子供がインターネットを使うことは有用で、価値のあることとも考えられるのです。
子供がインターネットばかりしていて(スマホばかり見ていて)心配になる親御さんも多いと思いますが、そこには不登校回復の可能性を生み出すメリットもあるのですから、過剰に心配する必要はないでしょう。
もちろん、何事にもダークサイドはあるわけで、インターネットも使い方を誤れば危険ですが、おそらく、あなたのお子さんはそれほどバカではありません。むしろ、親が思っている以上に子供は成長していて賢いはずです。親の目から見ればいつまでたっても子供は子供ですが、意外なほど成長していて賢い判断ができるんですよね。
ですから、ほとんどの子供は上手にリスクを避けながらインターネットを使うはずです。(どうしても心配ならば、最低限のリスク防止をして使わせてあげればいいだけです。)
余談ですが、私個人の不登校経験を思い出して考えてみても、インターネットは不登校回復を加速させると断言できます。
私が不登校だった頃にはインターネットがありませんでしたが、もし、当時の世の中にインターネットがあり、そのインターネットが自由に使える環境だったら、私の不登校脱出はもっと早かったと思います。何年早かったかは分かりませんが、5年くらい早くてもおかしくなかったと思います。それくらい、インターネットがもたらすメリットは大きいと確信しています。
私は今まで、インターネットがきっかけで不登校脱出に成功した事例を多く見てきました。
<例>
・インターネットで調べて見つけた予備校に行きたいと突然親にお願いしてきた息子さん(その後その予備校に行き、勉強し、進学が決まり不登校脱出!)
・インターネットで調べて見つけたイベントに参加し、それがきっかけで考え方が変わり、ものすごく行動的になり、あっという間に不登校脱出に成功した息子さん
・インターネットで調べて見つけた習い事に通いたいと突然言い出し、その習い事を続けているうちにだんだんと元気になり、ついには普通に学校に行けるようになった娘さん
感動的な事例に多く触れてきました。
もちろんその事例の背景にはSIAPROJECTのサポートがあり、サポートを受けた上での親御さんの的確なサポートがあったからなのですが、それでも最終的にインターネットがきっかけになったのは事実です。
インターネットの力は侮れません。なんとなく否定的な目で見てしまう親御さんも多いと思いますが、ぜひ、プラスの側面にも目を向けていただけたらと思います。インターネットに関して適度に許容することは、不登校の子供が立ち直るために親ができることの重要な一つなのです。
以上、「不登校の子供が立ち直るために親ができること」を3つお伝えしました。
もちろん、これら3つ以外にもできることはたくさんあります。それをどれだけ知っているか、その知ったことを子供の状態に合わせてどれくらい的確に応用できるかで、子供の未来が大きく変わってきます。それに必要な知識はSIAPROJECTが無料サポートや有料サポートを通してお伝えしていますので、ご興味のある方はご覧ください。
執筆者:シア・プロジェクト代表 木村優一
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お手数をおかけしますが、よろしくお願い致します。
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